あーるPG - 社会人のデジタル生活

日曜プログラマになろうかなーと思った30代理系社会人の、キャリアアップや趣味(特にデジタル情報)の記録。らーめんとビールが好き。

メリットの法則――行動分析学・実践編

オススメ度:★★★★☆

まとめ:

行動分析学の入門書だそうです。行動分析学とは、人々が繰り返しする行動について、その法則性を追究する学問のようです。
人でも動物でも、行動を起こすには原因があり、原因を期待して行動を起こします。つまり、行動を抑制したり推進したりするには、その原因を操作すべきです。

著者は学校のカウンセラーを多数受け持っているので学校に関連した事例が多く取り上げられています。例えば登校拒否する児童に対し、子供の好きにさせてみたり、いつに無く子供とコミュニケーションを取ってはいけません。なぜなら登校拒否することで良いことがあると認識してしまうからです。そうなれば登校拒否が加速してしまうのも無理はありません。
まずやるべきことは、登校拒否すると増える良いこと、減る悪いことが何かを分析することです。
例えばゲームが出来る、いいともが観れる、親が優しくしてくれるなどが良いこと、勉強しなくてよくなる、いじめっこに合わなくてよくなるなどが悪いことです。
学校に行かせたいなら、そのメリットを与えず、逆に学校に行くことによるメリットを増加、再認識させることが重要となります。学校に行けば仲の良い友達にも会えるし、楽しみな給食や体育を体験できる、といった具合です。

ポイントカードの有効性についても語られています。ポイントカードは買うたびに押される満足、カードの枠が埋まる満足、埋まったときの景品による満足など、大小取り混ぜた満足が享受できる、非常に良いスキームです。ただし、景品の価値や、それを受け取るまでの労力などのバランスが大事です。


法則というだけあって、言っている事は非常にシンプル。言葉が通じない、聞いてくれない人(自分も含む)に対してはメリットデメリットを考えて対応するのは至極当然なのですが、それを体系化して説明しているのは非常に助かります。子供が出来ると、ぐずり、駄々こね、登校拒否など、悩みは尽きないようですね。

メモ:

行動分析学とは
繰り返しの行動の傾向を分析するもの。
 「前状態→行動→後状態」
で考える。
例えばかんしゃくを起こす子供の行動分析は
 例)「子供が寂しく1人遊びしている→騒ぐ→親に優しくされる」
親に優しくされたいから騒ぐ。もし騒がせたくないならそうしてはいけない。
 例)「子供が寂しく1人遊びしている→騒ぐ→部屋から追い出して、親は冷たくする」
であれば、子供は騒ぐ意味が無いので騒がなくなる。(が、別の場面で優しくしてあげるのは必要)

■行動の定義
ある事象について、テストを通して”行動”と判別する。代表的なものは2つ。
・「死人テスト」。死人でもできることは行動ではない。
 例)行動では無いもの・・・じっとしている、横たわっている、物を口に入れられる、など。
・「具体性テスト」ビデオで見てもそれと判断できるもの。
 例) 行動では無いもの・・・元気になる、気持ちが穏やかになる、など。

行動分析学の基本
・好子出現の強化、嫌子消失の弱化
行動によって良いことがある。または行動によって悪いことが無くなるなら、その行動をとりやすくなる。
 例)空腹→パンを食べる→満腹
 例)寒い→服を着る→寒くない

・消去
行動をしていても何も起こらないと、行動しなくなる
 例)お金0円→おじさんに挨拶する→お金1000円
   お金0円→おじさんに挨拶する→0円
   ・・・
   行動しなくなる

・消去バースト
状態が変わらない行動は、やがて消失する。ただし、消失する前に行動が悪化する。
 例)かんしゃくを起こす子供の例で、親が優しくしてくれないと余計かんしゃくを起こすが、それでも効果がないと止める。

・回復の法則
悪い体験をしたから行動をしないようにしていても、悪いことが発生していないと元に戻る。
 例)無事→信号を何色でも渡る→轢かれる
   無事→信号を青のみで渡る→無事
   ・・・
   無事→信号を赤で渡る→轢かれる

・脅迫行動
 例)外出時に施錠したか不安→確認する→不安が軽減する
”確認する”が脅迫行動。やればやるほど強迫観念が強くなり、不安になる。
治療法のひとつに、原因となる状態を繰り返すというものがある。繰り返すほど馴れ、不安は下がる。(馴化)

・行動の機能
行動の機能(行動によって得られる効果)は次の4つに分別できる。
 もの、活動が得られる
 逃避、回避できる
 感覚が得られる
 注目が得られる
場合によって、行動に対する機能は変わるし、重複もする。

・行動の効果範囲
行動の効果と認識できるのは60秒以内。効果までのスパンが長すぎると、行動の強化、弱化に繋がらない。
 例)ダイエットで食事制限しても、効果が出るのが数ヵ月後では、なかなか続かない。

・てんびんの法則
良いことと悪いことが複合的に発生している場合、トータルでどちらが良いかにより行動がとられる
行動を止めさせたいのであれば、良いことを減らすか、悪いことを増やすかする。

・強化スケジュール
新しいことを覚えさえるなら
 良い→ほめる
 良くない→なにもしない
が効果的。叱る、行動を抑制する方向に動きがち。

・トークンエコノミー法
いわゆるポイントカード。非常に有効。ただし費用対効果のさじ加減が需要。
1行動に対し、すぐに機能(好子)がある。フルコンプしたときの好子(バックアップ好子)もあり。

・FT(fixed time)スケジュール
時間を決めて好子を与えると、不満や感情的な行動を抑制できるというもの。
段階的に間隔を延ばしたりする。

メリットの法則――行動分析学・実践編 (集英社新書)

メリットの法則――行動分析学・実践編 (集英社新書)

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