すぐ会社を休む部下に困っている人が読む本 それが新型うつ病です
オススメ度:★★★★☆
「新型うつ病」・・・最近聞く言葉ですが、実態はなんなのか、従来型とどう違うのか、どう向き合えばいいのか、わからないことは多いです。本書は体系的にわかりやすく従来型との違いを説明し、実際のカウンセリング事例を教えてくれます。
新型うつ病は若い世代に多く、以下の特徴があります。
・自分への愛着が強い
・うまくいかないことがあると会社や上司、親のせいにする
・自分の仕事に不満を持っている
・仕事以外ではうつ症状が軽くなる
・過食、過眠
従来型うつ病に対して新型うつ病に特徴的なのは、仕事などやりたくないことに対して発症し、仕事以外では症状が軽くなる、ということです。本人は遊びたいために、それがSNSで伝わってしまい、会社の同僚からは白い目で見られることになります。
ざっくりいうと、小学生が学校に行きたくなくておなかが痛くなる症状と同じで、本人の無意識が脳に症状を伝えています。それが仮病ではなく本当に痛いということが重要で、しかも身体的な病気ではないので病院で検査を受けても改善できません。
本書では「心気症」などの心の諸症状を総括して「新型うつ病」とされているとの認識でした。
原因は親の過保護によるストレス耐性の低さ、他責傾向です。仕事によるストレスがかかった結果、無意識が「仕事に行かなくても良くなる」結果を出すために頭痛や関節痛を発生させます。医師の診断書で休職手続きを行い、ストレッサーから逃避できるというわけです。
⇒ メリットの法則:http://d.hatena.ne.jp/aru_pg/20140209/p2
さらにストレスからの逃避を容認する過保護と相まって、長期的な症状となります。
従来型とことなり本人に直そうとする意欲が薄く、親や配偶者が稼いでいれば生活に困らないので治りにくいです。カウンセリングの方法はいくつかありますが、
・本人の無意識が症状を出していることを認識させる
・親などへの依存が原因なので、それを取り除く(自立させる)
・原因となったストレッサーから離れ、ほかの場所でストレス耐性を地道に増やす
などが挙げられます。
新型うつ病は家庭環境に原因があるため、子育てに気を付ければ子供は発症しづらくなります。子供には判断させ、失敗させることが大事で、親が何でもやってあげたり、失敗を回避してあげることは子供のためになりません。
すぐ会社を休む部下に困っている人が読む本 それが新型うつ病です (幻冬舎新書)
- 作者: 緒方俊雄
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2013/11/29
- メディア: 新書
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